満開に咲く推しを観ていたい

▽世界はずっと あなたに今日も 笑いかけている

サトクリフに思うこと。

ひとつ前の記事で、サトクリフについては別の記事で書きますと宣言したので早速。
令和の私は、鉄は熱いうちに打てをモットーに頑張って生きていきます。








サトクリフは私にとって、初めてのキャラクターでした(オタク何かと初めてを見つけがち)
推しである納谷さんが演じているのに、全力で「すき!」とは叫べなかった。その一番の要因は、主要人物に与えた傷が群を抜いて多かったこと。ハリエットとロダンに致命傷、萬里とノームには重症を与えていましたね。なんでサトクリフだったんだろう。そうでなかったらまた私の気持ちも違ったかもしれない。

あの舞台の上で渦巻いていた狂気や殺意が本物だったからこそ、彼のやることなすこと全てに目を伏せたくなってしまった。でもそれはサトクリフというひとりのヴァンプが納谷さんの中で生きていたことの証でもあるなとも思いました。けれどやっぱりあの物語を目撃した私は、サトクリフの行いを許せなかった。



好きか嫌いかの二択だったら好きに入ります。
でも好きか愛おしいかと聞かれたら、多分これは愛おしいっていう感情。好き!は萬里(夢とロマン)とクラウス(モンペ*1 )なので、サトクリフは本当に、愛おしいなっていう感情が私の中でしっくりきます。

ヒーローかヒールだったら昔から絶対的にヒーローが好きなんです。銀魂なら坂田銀時BLEACHなら黒崎一護、ヒロアカならデク君、超ピカ!なら翼くん。だからどうしても私の好きは純度100%でサトクリフに向かなかった。でも私の『愛おしい』は純度5000000000%でサトクリフに向かってる。サトクリフのこと愛の矢で貫いちゃいそう(?)





大阪から東京で一番変わったのはサトクリフへの気持ちでした。というわけで、気持ちの移り変わりを簡単?にまとめてみました。

初見
3/30大阪マチネ
えっ………

えっ……………?


す、き…?きらい…?
いや、嫌いではないけど、でもこれは嫌いになってしまいそう…。殺すのはだめだよ殺すのは…人の命を奪ったらだめ…。でも心の底から嫌いと言えない雰囲気もあるな…。
動きと声と深読みさせるお芝居の魅力が爆発してる。プリティーチャーミングな敵役すぎる。サトクリフから放たれた色香がピロティから溢れ出して地球一周してまたピロティに戻ってきてる…好き…。
ってつまり私は彼のことをどう捉えてる…?嫌いなの?好きなの?すきなの?きらいなの?????
ところで最後ハリエットの死が見えないのはなんで?自分が死んだ後だから?でも萬里の死は見えてたよね…なんで…?

ってめちゃくちゃ混乱。と同時に推しなのに簡単に推させてくれない役者・納谷健にめちゃくちゃ感動する。新感覚。


復習の時間
3/30大阪ソワレ
バルトロメちゃんの「繭期だからしょうがない」で、そっかぁ……仕方ないのか……と煮え切らない気持ちがやるせなさと共にほんのり落ち着く。
でもやっぱり憎んでしまう。好きだと大声で叫べない。でも嫌いにもなれない。私の心には薄暗く冷たい感情が、音もなく広がっていく…(すぐポエム始める)


自習の時間
大阪から東京までの間
サトクリフの発言や仕草から彼自身の性格を考えてみたり、なんでもない日常を暮らしていたはずの過去に思いを馳せてみたり、はじ繭上映会や過去作履修を経てサトクリフや繭期の彼らに愛おしさを感じるようになる


おさらいの時間
4月東京
サトクリフのやったことは許せないけど、サトクリフのことは許したいと結論が出る








突然ですが私、ガラスの仮面大好きなんです。

ガラスの仮面 1 (花とゆめCOMICS)

ガラスの仮面 1 (花とゆめCOMICS)


母の影響で幼い頃から情操教育の一種として取り入れられていました。だから私はいつまでも推しの紫のバラの人でいたい。魂の片割れみたいな重たいやつじゃなくて、応援していますよっていう気持ちを届け続ける的な…。

まぁ情操教育は嘘ですが、兎にも角にもそんな大好きな漫画の中に『‪はじめに気持ちがあって、次に言葉と動きがある』という台詞があります(演劇界隈ではきっとよく言われることですよね)‬


‪それを日頃納谷さんからよく感じていたから、今回の観劇でもその仕草の、その表情の、その言葉の裏にはどんな気持ちがあるの?って心の中でサトクリフに何度も問いかけました。
でもそこには、自分勝手なサトクリフ像を作り上げてしまってはいないか、という迷いも常に付きまとっていて。知り合いからまるで二次創作だねと言われたことが重なって、考察と二次創作の境目が分からなくなり手紙の下書きが進まなくなるなんてこともあったような気がします(遠い目)‬



とはいえ、ここは拙者のブログで候!好きなように書くで候!(磯ミュが観たい)なので、私が考えたサトクリフについてをここに書き記しても許されますよね?
私がサトクリフの言動から考えたことなので、もちろん正解だとは思っていません。まだまだだね、と思われた青学期待のルーキー型の繭期先輩がいらっしゃいましたら、どうかどうか暖かい目でするっと読み飛ばして頂ければ幸いでございます。












サトクリフは好きとか嫌い以前に、とても魅力的な存在でした。


彼特有の柔らかな動きは本当に目を引く優雅な姿でした。
崖から落ちて死んだ彼を追い詰める時がたまらなく好きで、ハイハイ?!ス、スワッター!!!って拍手喝采音の晩餐会todayまじ止まんない!って大興奮…!
そしてあの声。深みのある艶っぽい声が大好きでいつまでも聞いていたかったです。冒頭のヒューゴとのシーンで声を聞いた瞬間、思わず声をあげそうになりました。本当に素敵な声。

笑った顔も、ゾッとするほど美しかった。
特に好きなのはキャスパレでのヴァンプvsハンターの時。石州に向かって冷たい顔で刀を向けてから、ニコッて微笑むところの表情がまぁーーーーー美しくて恐ろしかった。その切り替えの速さが彼の残酷さを増し増しに表現していてあまりにも好きでした。なんて魅力的な表情をするんだ……。
親指をかじったり、暇を持て余すと指先をいじる姿にはオズとの血の繋がりを感じたりもしました。サトクリフはイニシアチブ実験もコクーン投与もされていないのでしょうか?もし投与されていたとしたらあまりに惨たらしいけど…。クランにいるヴァンプ達も繭期なのに、脱走した彼らだけがあまりに逸脱してその症状が悪化しているのはやっぱり何かあるのですか?それとも個人差があって症状が極端に進行してしまう吸血種もいる?繭期先輩は答えを知っているのでしょうか…?

マリーゴールド観れて本当によかったです。はじ繭上映本当にありがとうございました光の速さで円盤買いました。ニコニコチャンネルも登録しよう短編読みたい!と抜け出せない沼におへそくらいまで浸かっておりますが、まだだいじょうぶなはず。






サトクリフは感情の波がとても激しい印象も受けました。

相手の死が視えることへの悦び
大人然と振る舞う敬語や仕草
悔しい時に親指をかじったり、
舌を出して戦いを喜んだりする幼い感情表現
冷静に戦う時と、
感情的かつ乱暴な言葉使いで滅多刺しにするギャップ

その大きな感情のブレに引っ張られてかなり揺さぶられました。



「繭期をこじらせている」と仲間に呆れるサトクリフですが、彼もまた、その症状に雁字搦めになっていたのかもしれないなと考えています。
死が視えないことであれほど混乱して取り乱してしまうのは、彼が自らの能力に捕われていたからに他ならないのではないかなと思いました。

自分にとって他人の死はオモチャのように楽しく遊ぶモノであって、思い通りにならないことがあっていいはずがなかった。繭期の症状を上手くコントロールして付き合っているようだったサトクリフですが、実際は繭期に振り回されていて、結局そのせいで命を落としてしまった。そう思うと、やっぱり彼を嫌いにはなりきれなかったです。





ローザの回想シーンで、倒れた彼女がヴァンプと出会えたことに喜び笑い出すと、サトクリフは身体を震わせ、心がざわついて焦っている様子を見せますよね。その時「この子も自分の理解の範疇を超える相手に恐怖や畏れを抱くんだな」と彼本来の姿を垣間見た気持ちになりました。
痛みは生存本能が働くから感じるのだとクラウスが言っていましたが、恐怖も同じだと思います。その先の死を本能で察知するから得体の知れない相手へ恐怖する。そんなサトクリフの姿をとても愛おしいなと感じました。
彼本来の姿というところでは、脱走の夜のクラウスを刺したヒューゴへの反応。殺さなくても!という反応から、やはり彼が本来そこまで残虐な思考の持ち主ではないことが伺えました。相手が相手だったのもあるとは思いますが。


ローザが死にたくないという話を始めた瞬間「またその話か…」とそっぽを向くサトクリフがあまりにも好きでした。しかも立ち位置的に綺麗なお顔がライトに照らされるのがまた美しくて…。上手前方の席だった時はこの時を待っていたとばかりに穴が開くほど見つめてしまいました。

サトクリフは、死が万人に訪れることを誰よりも理解している。だからこそローザが不老不死の力を手に入れたいと願う姿を、バカバカしいと感じていたのかなって思うんです。でも彼女がTRUMPの話を始めると、視線が動き、興味が湧いたのが伝わってくる。死なない存在はいないと思っている彼は、それを覆す存在には関心があったのかなと思いました。
TRUMPであるクラウスと出会っていたらサトクリフはどう反応したのかなと想像すると面白いですが、それは叶わない世界ですね…。



クランを抜け出した彼らは、退屈な日々を送っていてただ自由が欲しかった。きっとかつての彼らにも『TRUMP』の少年達のように、なんてことない平穏な日常があったはずなんですよね。そして繭期を抜けた後に思い描く未来があったはず。脱走を実行した頃の彼らには自由のことしか頭になかったかもしれないけれど…。
そう思ったら彼らのことを嫌いになんてなれなくて、憎むことも出来なかった。だから、彼らのしたことは許せなくても、彼らのことは許したいと思った。好きとは言えなくても、愛おしいと思ったんです。







サトクリフを自分の中で許せたことが東京公演での自分の中での大きな変化でした。こんなに悶々と考えたのは初めてで、とはいってもまだ応援し始めて数ヶ月だから当たり前ですが、そんなところでもSPECTERは思い入れのある公演になりました。
多分これからも推しが推しキャラにならないことは沢山あるのかもしれません。でもその度に色んなことを感じて、考えて、言葉にしていきたいなと思いました。
と言っていた矢先にジャー忍の霧ver.を観てコロッと弁才くんに恋しちゃいましたけどね!!!!虹でも霧でも推しは弁才くんだったから、あまりにも私の好みに合致しているので弁才くんと私は幸せになります(?)


私は自分の頭の中を整理するための手段が"文字にすること"なので、感想はなるべく言葉にしていきたい…!それが私のstyleです、なんちゃって!てへ!
毎回ブログの終わらせ方がわからないのですが、以上、サトクリフさん愛おしい枠に落ち着いた話でした。





色々考えてみると、結局のところサトクリフのことが好きなんじゃない?っていう冷静な私も顔を出してきます。一回決着が着いた気持ちを何故蒸し返してくるのかって私と私がカンフーファイティン始めちゃうからやめてほしい…。

*1:クラウスに対しての私はモンスターな保護者だという自覚があるって話。怒っていいのよ、あなたはあなたのままでいいのよって愛を向けています